ここでは真奈美とグッドエンディングを迎えていて
なおかつ誰もふっていないと言うことで
プロローグを考えています。

 

一つの感動のゴールを迎えたのち
新たなる物語に向けて旅立とうとした矢先に
突然の交通事故が新たなる旅立ちを
永遠に閉ざしてしまいます。
東京で行われた告別式で雨の中
傘もささずに立ちつくす彼女‥‥
その瞳からは光が失われていました‥‥

 

大好きだった主人公を永遠に失い
その悲しみは彼女の開きかけていた心の扉を
再び重く閉ざしてしまいました。
部屋に閉じこもったまま枯れることのない涙を流して
泣き疲れると眠り、目覚めるとまた悲しみに襲われ
涙を流す日々を過ごしていました。
生きる気力も奪われ、食も細くなりました。
地元の名医たちが色々な治療を試みましたが
前向きになってくれない患者にはさしたる効果は得られませんでした。

あるクリスマスイブの晩、両親が口論をしていました。
口論と言うよりは代議士とその妻の玄関先でのひそひそ話程度のものです。
しかし杉原邸を囲む真冬の森はしんと静まり返っていたので
真奈美の耳に届くには十分でした。

「お料理‥‥すっかり冷めちゃいましたよ」
「済まなかった。選挙の打ち合わせが長引いてしまっったんだ」
「せっかくのイブの晩なのに‥‥」
「私が今、どれだけ微妙な立場にいるか‥‥君も知っているだろう。
 党の推薦が微妙なところなんだ。
 ただでも真奈美のことで良かなる噂を立てられていて‥‥」

それを聞いた真奈美は翌日、自分から東京行きを申し出ました。
はじめは母親が猛反対をしていましたが
さじを投げかけていた医者から「転地効果も期待できると思います」という
頼りに出来ないアドバイスとなにより娘の強い希望もあって
結局首を縦に振りました。
父親の方は娘の申し出の真意をすぐに察し無言で了承しました。

年が明け、東京へ向かい電車で旅立とうとしてる娘に母親が訪ねました。
飛行機なら2時間もあれば東京に着くのに半日もかけて陸路でいくことはないと。
その問いに真奈美は光に透けてしまいそうな
寂しげな笑顔を浮かべると、こう答えました。
「いいのよ‥‥もう。私にはもう‥‥空を飛ぶ翼は‥‥必要ないの‥‥」

電車の中で真奈美は外を眺めながら
昔のことを思い出そうとしていました。
「いつかはきっと、君も空を飛べるよ」
そんなメッセージだったと思う。
あの日、彼が真奈美に残していった最後の‥‥とても大切な言葉。
だけど、それも曖昧な記憶になっておぼろげにしか思い出せない。
(あれはみんな夢だったのかな‥‥
 私が勝手に作り出した長い長い夢だったのかな‥‥)

軽い揺れとともに真奈美の視界が急に薄明るくなりました。
新幹線が東京への最後のトンネルに入ったのです。
窓の外の景色は遮断され、そこには‥‥
そこには悲しげな‥‥けれども同姓でも心奪われそうな
美しい真奈美の顔が写っていました。
(そっか‥‥これが今の私なんだ‥‥)
化粧などとは無縁だった真奈美は本当に久しぶりに自分自身と向かい合った。
そこに写っているのは「少女」ではなく「女性」でした。
19と言う年齢は否応なしに彼女を変えつつあった。
(これが‥‥今の‥‥私‥‥)
愛おしむように、自分の頬を撫で唇に触れる。
誰にも触れさせなかった白い頬‥‥
誰とも交わらなかった唇‥‥
思えば何のための‥‥誰のための‥‥少女時代だったのだろうか‥‥
長いトンネルを抜けた窓の外には
無数の星々と町の光が広がり始めていました。

その後、真奈美は天河大学病院に入院して
両親に面倒を頼まれた叔母の栄美子が面倒を見ています。

 

杉原真奈美のその後の体格
B.W.H. 77cm、52cm、81cm
主人公の死からか
体がやつれてしまったようです。

参考資料:
センチメンタルグラフティ2マニュアル
電撃G'sマガジン