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数時間後‥‥‥

翔太はほのかの家に来ていた‥‥‥‥。
ほのかが強引につれてきたのだ‥‥。
今までのほのかにはないその行動‥‥。
僕は裏切っていいのだろうか‥‥‥‥。

ガチャ

そんなことを考えているとノックの音のあとにドアが開いた。

ほのか
「大丈夫?よく眠れた?」

お盆にご飯を乗せてほのかは部屋に入ってきた。

翔太
「うん‥‥‥‥」

実際全く寝ていなかったが翔太はそう答えておいた。

ほのか
「だいぶ熱があるね‥‥」

おでことおでこをくっつけてほのかは言った。

ほのか
「おかゆ‥‥作ったんだけど‥‥食べる?」

翔太
「ううん‥‥‥‥いいよ‥‥」

ほのか
「じゃあ何かさっぱりしたものでも‥‥」

と言って立ち上がるほのかを翔太は呼び止めた‥‥。
運命の時が近づいた‥‥。

翔太
「ちょっと話があるんだ‥‥」

ほのか
「はなし?」

翔太
「うん‥‥」

ほのか
「何?‥‥」

ほのかはまたいやな予感がした‥‥。

翔太
「実はね‥‥‥‥」

翔太は話した。
高校時代つきあっていた女の子が他にいたこと‥‥
今もつきあっていること‥‥
その子と婚約したこと‥‥
全てを洗いざらい‥‥‥‥話した‥‥。

ほのか
「それって‥‥別れてってこと?もう遊びに来ないってこと?」

ほのかは動揺の色が隠せなかった。
しばらくの間沈黙が流れる。

翔太
「うん‥‥」

ほのか
「うそ‥‥だよね?」

翔太
「‥‥‥‥」

ほのか
「‥‥‥‥」

翔太
「‥‥‥‥」

長い沈黙‥‥‥‥

 

ほのか
「‥‥‥出ていって‥‥あなたがそんな人だったなんて‥‥」

静かにほのかは言った。

翔太
「うん‥‥」

急いで支度をする翔太。

パタン‥‥

翔太は部屋の戸を開けて出ていった。

ほのか
「バカァ‥‥」

閉めた扉に枕を投げつけた。

 

 

1時間後‥‥‥

ほのかはふと我に返った。

ほのか
「翔太君‥‥熱‥‥あったんだ‥‥」

ほのか
「何で‥‥追い出しちゃったの?病人なのに‥‥‥‥」

自問自答するほのか‥‥。

ほのか
「‥‥行かなきゃ‥‥」

翔太が心配でならない。
今さっき別れを告げていた人が‥‥
私はまだ翔太君が好き‥‥。

ほのかパパ
「ただいまぁ!」

ほのか
「お帰り!パパ!コート貸して‥‥」

ほのかパパ
「えっ?」

ほのか
「早く!」

ほのかの父親はほのかの剣幕に圧倒されつつコートを渡した。

ほのか
「行って来ます!」

ほのかはそれを受け取ると同時に出ていった。
この寒い日に‥‥そんなに厚着もしてない翔太君が‥‥熱もだしたまま‥‥。

 

ほのか
「はぁはぁ‥‥」

大通公園‥‥札幌駅‥‥いない。
もう‥‥帰っちゃったのかな?

帰ろうとしたその時なぜか足は北大に向いていた。

ほのか
「何で‥‥ここに来たんだろう?」

ここは北大の敷地内‥‥。
あと少し歩けばピュア・アイのいる厩舎につく。

ほのか
「あなたと‥‥会えた場所だからかな?あなたとの思い出の場所‥‥」

またほのかの足は勝手に動き出していた。

ほのか
「あっ‥‥」

厩舎に一つの人影を見かけた。小泉さんかな?
話し込んでる余裕はなかったが挨拶をしようと近づいたその時‥‥。

翔太
「僕‥‥ほのかちゃんを‥‥傷つけちゃった‥‥」

翔太の声が聞こえた。

翔太
「もう‥‥ピュア・アイと会うこともなくなる‥‥
最後のお別れ‥‥に来たんだ‥‥
ありがとう‥‥さようなら‥‥」

翔太の声が少し涙声になっていた気がする。

ほのか
「しょう‥‥たくん‥‥」

ほのかはふらっと翔太の前に出てきた。

翔太
「ほのかちゃん‥‥」

ほのか
「やさしいね‥‥翔太君は‥‥
私‥‥そういうところが大好きだった‥‥。他の誰よりも‥‥
けど‥‥もう会えないんだよね‥‥翔太君とは‥‥」

翔太
「‥‥」

ほのか
「でも、最後に体だけは治していって‥‥
病人をそのまま帰す‥‥まして翔太君だから‥‥できないから‥‥。」

ほのかは父親のコート翔太に羽織らせた。
しばらく立ち止まっていた翔太はそのコートを脱いでほのかに着せた‥‥。

翔太
「そんな薄着で‥‥ほのかちゃんが風邪ひいたらどうするんだい?」

ほのか
「わたしは‥‥‥‥」

翔太
「僕の方こそあんな事いった上に風邪なんてひかせること‥‥できないよ‥‥。」

ほのか
「‥‥翔太君は病人だから‥‥」

と言って脱ぎかけたコートを翔太は強引に着せた。

翔太
「僕のことは気にしないで‥‥」

ほのか
「でも‥‥風邪は治していって‥‥お願いだから‥‥」

翔太
「でも‥‥」

ほのか
「お願い‥‥」

何であんな事言った僕にそこまでしてくれるのだろう‥‥。
逆にどんどんつらくなっていく心‥‥。

 

ガチャ‥‥‥

ほのか
「翔太君‥‥このままで寝ていて‥‥治るまで‥‥」

翔太
「うん‥‥」

ほのか
「約束だよ‥‥」

心なしかほのかの顔が笑ったように見えた。
それからずっとほのかは翔太の横にいた。
2人の心‥‥
心境は複雑だった。
しかしお互いの目が合うと
力無く笑っていた。
自分が何をすればいいか‥‥お互い分からぬままに‥‥。

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